実験でメタノール誤使用して引火 児童4人がやけど、教諭を書類送検

実験でメタノール誤使用して引火 児童4人がやけど、教諭を書類送検
朝日新聞デジタル 2022/11/11(金) 10:19配信

 群馬県沼田市立沼田小学校で6年生の理科の授業中に児童4人がやけどなどを負った事故で、沼田署は9日、男性教諭(61)を業務上過失傷害の疑いで書類送検した。署への取材でわかった。男性教諭は容疑を認めているという。

 市教育委員会によると男性教諭は6月30日、ジャガイモの葉のでんぷんを調べる理科の実験中、本来使うべきエタノールではなく、メタノールを入れたビーカーをカセットコンロで直接加熱。一斗缶でメタノールをつぎ足した際にこぼれて炎が上がり、1人が重傷、3人が軽傷を負ったという。実験手順を記した教科書にはエタノールを湯煎で加熱する方法が記されていたという。

 県警は当時の状況を調べ、教諭が安全に実験を進めるための注意義務を怠った疑いがあるとみた模様だ。

 市教委によると、この教諭は昨年度も同じ実験でメタノールを使用し、ビーカーに入れて直火で温めるという誤った方法で実験をしていた。他の10小学校ではいずれも教科書の例示通りに指導していたという。

 市教委は事故後、理科の実験などで使うために市立計20小中学校に保管されていたメタノールをすべて回収するなど再発防止策を講じている。小学校の理科担当教諭らが、実験器具や薬品の安全な扱い方について研修を受けたという。

 沼田小では2学期から、5、6年生の理科の授業を、中学校の理科の教員免許を有する教員と非常勤講師による複数態勢で指導している。事故でショックを受けた児童や教職員らの精神面に配慮し、理科室の場所を変えたという。(吉村駿、加藤真太郎)

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